yamayama将棋

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■対飛車先交換

ここでは、石田流を指す場合には避けては通れない、居飛車の飛車先の歩交換に対する反撃を考えます。

第一図

さて、
今、先手が浮き飛車に組もうと▲７八飛を決行したところです。
基礎編でも述べたように、▲３八玉まで囲ってからがベターだと思います。

ここで△８六歩はないものでしょうか？
先手の角頭は全くの無防備。付け入る隙を与えているように見えます。
では、進行を見てみましょう。

第一図より、△８六歩▲同歩△同飛▲２二角成△同銀▲７七角（第二図）

第二図

後手が△８六飛と突撃してきた瞬間に、角交換から▲７七角を浴びせます。
第一図となっては△８九飛成くらいしかありませんが、▲２二角成と銀を奪って優勢です。

第二図より、△８九飛成▲２二角成△３三角▲同馬△同桂▲８八飛（第三図）

第三図

玉の近くに馬がのさばっていては困るので、手筋の△３三角で馬を消しにきます。
これを取らずに▲２一馬などでは、△９九角成と突っ込まれ、先手は飛車の動きに苦労することになります。
銀を取ったことに満足して▲３三同馬と取ります。
そして、直後の▲８八飛のぶっつけがポイント。
△同龍と取ってくれれば、先手は銀桂交換の駒得が残ります。もちろん優勢です。
かといって△９九龍と拒否すれば、▲８一飛成と桂馬を取り返しながら成り込み優勢でしょう。

この狙いがあるので、後手としても迂闊に飛車先の歩を交換できません。
しかし、ちょっとした陣形の差で７七角が不発することがあります。

下の図を見てみます。

参考一図

先ほどの第一図と大差ないように見えますが・・・。

参考一図より、△８六歩▲同歩△同飛▲２二角成△同銀▲７七角△８九飛成（参考二図）

参考二図

今度は後手の銀にヒモがついているため、▲７七角が両取りになっていません。
よって、悠々と△８九飛成と突っ込まれて先手不利に陥ってしまいます。
では、どう指すべきだったのか？

参考一図より、△８六歩▲同歩△同飛▲２二角成△同銀▲８八飛（参考三図）

参考三図

７七角のカウンターが不発なので、
目標になっていた角を捌き、飛車をぶつけます。
弱点となっていた角を盤上から消して、逆に飛車交換を迫るという斬新な手ですね。
管理人もこの手順を初めて見たときは、思わず唸ってしまいました。

では先へ進みます。

参考三図より、△８七歩▲９八飛△８八角▲７八金△７九角成▲同金△８八銀（参考四図）

参考四図

ここで飛車交換をしては、▲８三角や▲８二飛が残るので先手が指しやすいでしょう。△８七歩は妥当な手です。
後手は△８八角打ちの強襲に出ましたが、いったん目標になっている飛車を引く手も十分考えられます。
それについては次ページで考えます。

△８八角打ちに対しては、▲７八金と上がって戦線に持ってきます。
▲７八金ではなく▲同銀と取る手も考えられますが、左辺の金を先に捌きたいところです。

▲７八金に対し△４四角成などと引き上げるのでは、▲７七角と打たれて馬を消されるので無効です。
よって、勢い△７九角成～△８八銀と攻めることになるわけですが・・・・
ここで、一見攻め込まれているように思える先手に、絶好の返し技があります。

参考四図より、▲５五角△７九銀不成▲７七角（参考五図）

参考五図